今回は、2017年にSBCに入社し、現在は都内にある湘南美容クリニック3院を束ねるエリアマネジャーとして活躍する小川さんに、役職業務の面白さや人を束ねる難しさについてお聞きしました。
お客様の喜ぶ姿を間近で見ることができる仕事に就きたい。美容師からのキャリアチェンジ
小川さんは、SBCに入社前はどのような仕事をされていたのですか?
SBCに入社する前は美容師をしていました。
美容師の仕事にはやりがいを感じていたのですが、30歳を迎え体力的な側面から続けられるかという不安と、直接施術をする日々の責任感からくる精神的な疲れもあり、美容に携われる別の仕事に就こうと考えるようになったんです。
美容に携われる仕事であることは転職時に重要視していたのですか?
美容師として働いていたとき、キレイになったお客様が喜んでいる姿を見ることが好きだったんです。その経験を受けて、お客様の喜ぶ姿を間近で見ることができる仕事かどうかは重視していましたね。そんな瞬間に立ち会える仕事って何があるだろう?と考えたとき、ふとSBCのことが頭によぎりました。
もともと、顧客として湘南美容クリニックに通っていたので、働くイメージがなんとなく湧いたんですよね。当時、カウンセリングしてくれた受付カウンセラーやスタッフの方々の対応や雰囲気がとても良かったんです。こんな環境で働きたい思い、他の企業には目もくれることなくSBC一択で応募しました。まさに、猪突猛進という感じですね(笑)。
SBCへの志望度がとても高かったのですね。選考はどのような流れで進んだのでしょうか?
現在は面接は1回のみですが、当時は2回面接があったんです。新卒以来の面接だったので、一次面接ではうまく話すことができず、手ごたえは全くありませんでした…。一次面接後に「面接ではうまく話すことができなかったものの、どうしてもSBCに入社したいんです」というメールを採用担当の方に送ったことを覚えています。
二次面接では、実際にクリニックで働くマネジャーの方が対応してくれたのですが、面談のような雰囲気で私の想いを引き出してくれたおかげで、SBCで働きたいという想いをしっかり伝えられました。さらに、美容師時代に売上管理や店長業務などを任されていた経験を評価いただき無事に内定をいただくことができました。
そして、2017年4月にSBCに入社されたのですね。
はい、美容師から受付カウンセラーという全く異なる職種に転職したため、入社直後は知識習得に苦戦しましたね。6カ月間の研修期間で美容医療に関する知識やカウンセリングのスキルを習得しなければならないため勉強量がとても多くて、周りのスタッフと習得スピードを比べて落ち込んだ時もあります。覚悟して入社した部分はありましたが、自分の覚えの悪さには落胆しました…。
受付カウンセラーは、入社後に覚えることがとても多いと聞きます…。
取り扱う施術が300種類ほどありますし、施術の内容だけではなく、お客様に合わせた傾聴力や提案力も同時に身に着けなければなりません。美容師時代とはまったく違う業務内容だったので正直大変でしたね。
それでも、同期やお客様の存在に支えられながら地道に学習を続けた結果、知識やスキルが身に付いてカウンセリングに入れるようになり、少しずつお客様と直接お話する機会も増えていきました。自分の提案でお客様が喜んでくださったり、お客様アンケートで私の名前を書いてくれる方がいたことで、もっと頑張ろうと学習のモチベーションを保つことができました。
お客様が喜ぶ姿を見ることがモチベーションになったのですね。
そうなんです。さらに、入社から1年と少し経過したころにもっと頑張ろうと思える出来事が訪れました。なんと、入社2年目にして副主任になることができたんです。社歴も浅く、当時受付カウンセラーとして特別目立つことはなかったと思うのですが、後輩スタッフに対する自分の面倒見の良さと、お客様に対して真摯な態度で向き合いご提案できたことで売り上げに貢献できた点を評価してもらったのだと思っています。
昇格のチャンスをもらった時には、不安よりもとにかく「うれしい!」という気持ちが大きく、少し浮かれていたことを今でも覚えています(笑)。
スタッフと信頼関係を築くことで、業績もエンゲージメントも大きく回復
現在、小川さんはエリアマネジャー兼主任という役職に就かれているのですよね?
はい、世間的にはプレイングマネジャーという立場にあたると思います。
エリアマネジャーのメイン業務は目標管理で、現在は湘南美容クリニック立川院・調布院・八王子院の3院を担当しています。担当院の中でも、売上目標に対して実績が伸び悩んでいるなど、早急に解決すべき課題があるクリニックに入り込み、何が課題なのかを見極めることも私の大切な仕事の一つです。
管理者ではなく、クリニックの課題解決を一緒に行うようなイメージでしょうか?
そうですね、私自身も当事者としてクリニックの売上を最大化するために何ができるのかを役職スタッフと一緒に考えていますよ。
業務は多岐に渡りますが、その中で今最も注力していることはスタッフとの面談です。1人あたり1時間程度を毎日2,3人ずつ行っているので面談に割いている時間は結構多いと思います。業務に追われる日々の中でも、スタッフと1対1でコミュニケーションを取る時間は欠かしません。
なぜ忙しい中でも、スタッフとのコミュニケーションを大切にしているのですか?
以前、業績が芳しくないクリニックの役職を任された時の実体験がベースになっています。
クリニックに着任後、業績悪化に対して何が課題なのか調べてみるとスタッフのエンゲージメントがとても低かったんです。定期的な面談も行われず、年に2回の人事考課フィードバック面談しか実施されていない状況…。クリニック内で、スタッフ同士のコミュニケ―ションがうまく取れていないことがわかりました。
スタッフのモチベーションが低いと、なかなか業績を上げることも難しいですよね…。
私のミッションは売上回復でしたが、なぜ売上を上げる必要があるのかスタッフが理解していない状態ではこちらの想いも伝わりません。そこで、相手の立場で物事を考えるようにしました。
自分がこのスタッフの立場だったら、仕事を通して何を必要とし、どうすれば最大限仕事に向き合えるか。自分目線ではなく、相手の求めるものを考慮しながらすべてのスタッフと面談し、対話形式の中で当人のパフォーマンスが上がる方法を一緒に考えるようにしたんです。
面談を行うことで、クリニックの状況は変化したのですか?
スタッフがそれぞれ行動目標を掲げることで、一人ひとりのスキルが伸びて売り上げは大きく改善しました。さらに、SBC全体の中でも低い方だったエンゲージメント数値も大きく改善したんです。
安定した売り上げをキープできたことでスタッフは精神的に余裕が生まれ、スタッフ同士の関係性も以前よりずっとよくなりました。この実体験から、スタッフのエンゲージメントが高い状態であることは、クリニックにとってとても重要だと考えるようになりました。
私が掲げる目標は、売上、お客様満足度(CS)、エンゲージメントの3つですが、中でも大切なものはエンゲージメントだと胸を張って言えます。
小川さんの取り組みによって、スタッフのエンゲージメントにも変化があったのですね。素晴らしいです!
ありがとうございます。あとは、面談時に目標と評価を紐づけて伝えることも大切にしていました。
やっぱり、スタッフの頑張りはしっかり評価してあげたいじゃないですか。そこで、『ここができるようになれば、ここの評価を上げられるよ』と、努力と成果を結び付けるようにしていましたね。SBCには明確な評価制度があるので、個人の頑張りと評価のポイントを明確にすることで『頑張った分だけ評価される』というモチベーションの醸成につなげられたと思います。
モットーは「日本一親近感のあるエリアマネジャーになること」
過去の経験から、スタッフとのコミュニケーションを大切にするようになったのですね。
はい。今は私はマネジャーという立場ではありますが、入社直後の新人スタッフとも定期的に面談を行って、困りごとや悩みなども直接ヒアリングしていますよ。
過去には『エリアマネジャーって遠い存在だと思っていましたが、小川さんに出会って印象が変わりました!』と言ってくれたスタッフもいて、とてもうれしかったです。
スタッフと素敵な関係を築かれているのですね。後輩スタッフと接するうえで、重視しているポイントはありますか?
人と関わる機会が多いエリアマネジャーとして大切にしているモットーがあるんです。それは『日本一親近感のあるエリアマネジャーになること』。
私自身が一般スタッフだったとき、エリアマネジャーを遠い存在のように感じていました。なぜそう感じるのかを考えた時、コミュニケーションの機会が少なかったからだと分かったんです。そこで、自分が昇格のチャンスをいただいた際に、後輩から親しみを感じてもらい円滑に報連相ができる存在になろうと決意しました。何でも相談してもらえる存在になれるよう、面談の内容にも工夫を重ねています。
どのような工夫をしているのですか?
些細なことではありますが、相手のことを知るため質問を増やしたり、雑談を挟みながら楽しく話ができる時間を作るようにしています。一見不要に思える雑談の時間を設けることで小さな報連相が増え、早い段階で信頼関係を築くことができるようになりました。
報連相は報告する側が自己判断で行うことがほとんどで、報告を省くスタッフもいますが、役職側からしたら実は大事な内容だったりします。後輩たちには『自分で報連相の要不要を判断しないでね』と伝え、些細な心配ごとや口に出すほどではない悩みでも気軽に相談してもらえるような関係性であるように努めています。
確かに、小さな報連相はつい省きがちかもしれません…。
そうですよね。しかしながら、本当に小さな悩みでも、放っておくと離職などの悲しい状況に繋がりかねません。
よくある小さな悩みとして「周りの子より知識習得が遅れている」という内容があるのですが、多くのスタッフの成長を見てきた私からしたら全く心配すべきことではありません。知識習得に時間がかかった私でもマネジャーになることができましたからね。
これからも、スタッフの些細な不安を取り除いてあげられる存在でいたいです。
後輩に寄り添う姿勢がとても素敵です。今ご自身の中で課題に感じていることはありますか?
自分が行うのではなく、スタッフを通して成果を上げることは難しいなあと感じていますね。自ら積極的に課題に踏み込み改善につなげることは得意なのですが、自分の部下にあたる主任や副主任を育て、成果を上げることに苦手意識があります…。
マネジャーには、人と動かして成果を上げるスキルが求められます。主任や副主任たちが、私と同じ役割を果たせるようになるにはどうしたらいいのか、日々試行錯誤していますね。
後輩の役職スタッフが小川さんと同じ働きができるよう、どのような取り組みを行っているのですか?
まずは自分の動きを見せることですね。そして、それを見た役職スタッフが、自分の頭で考えることができる場面を作るようにしています。さらに、役職スタッフとのコミュニケーションの機会も増やすことで、発生したトラブルなどの事象に対して同じ意見や感覚を持てるような指導を心がけていますね。
経験値を積むことで視野が広がった自分の経験を伝え、経験値とできることがちゃんと比例することを知ってもらいたいなと思っています。
成果を出すことがマネジャーのミッション。スタッフと関りながら成長を続ける
マネジャーの業務を通して、自己成長を感じる瞬間はありますか?
様々なスキルが身に付いたなと思っていますが、最近だと課題解決に導くファシリ―テーション能力が身に付いてきました。
入社から6年ほど経ち、様々なクリニックで勤務し良い点も悪い点も見てきました。この経験から、クリニックで現状起きている課題を解決するための引き出しが増えたと思うんですよね。自分の経験を伝えることで、腑に落ちた状態で課題解決に取り組んでいるスタッフの姿を見ることができています。
また、スキルや経験値だけではなく、マインド面でも成長を実感しています。
私は、SBCの行動指針が大好きなのですが、行動指針にはSBCスタッフである前に、人として大切なことが詰まっています。理念や行動指針に書いてあることがナチュラルにできるようになった時、人間としてのスキルも上がっていると実感しますね。
人として成長できる環境があるのですね。今の小川さんのミッションを教えていただけますか?
私のミッションは、与えられた目標を達成することです。さらに、目標達成意欲の高いスタッフを育成することも自分のミッションだと思っています。それくらい、目標達成は私の中で大切にしている指標の一つなんです。
以前、尊敬している直属の上司から『マネジャーは成果を出す職位』だと言われたことがあります。この言葉はいまでも印象に残っており、私が成果主義であろうと思う理由の一つになっていますね。
尊敬できる上司の方がいるのも、仕事のモチベーションに繋がりますよね。
目指す存在がいることで、自分の伸びしろを感じることができますね。上司は本当に視野が広い方なんです。
定期的な面談では新たな視点を伝えてくれて、まだまだ自分の視野が狭いなと気付かせてくれる貴重な存在。さらに常に気さくにコミュニケーションを取ってくださる方で、私も部下や後輩とこんな関りを持とうと思わせてくれます。こうなりたいなと思える憧れの先輩です。
最後に、小川さんの今後の目標を教えていただけますか?
私の強みはコミュニケーション能力だと思っているので、これからも分け隔てなくスタッフと信頼関係を築くことで『小川さんが言うならやってみよう』と思ってもらえる存在を目指します。そして、『ゆくゆくは、小川さんのようなキャリアを築きたい』と言ってもらえたら嬉しいですね。
役職は忙しく、責任が重いとネガティブなイメージを持たれがちです。しかし、自分が楽しんでいる姿を見せることで役職のロールモデルになれると思っています。
私の目指す姿である『日本一親近感のあるエリアマネジャー』を体現できるよう、これからもスタッフとの関りを大事にしていきたいと思います。