神戸市で行われている「大規模ワクチン接種」に参加する受付カウンセラーの奥野さんは「もともと社会貢献に興味がありました。」と話す。
大規模ワクチン接種とは
ノエビアスタジアム神戸にて実施している、新型コロナワクチンの大規模接種のこと。
国内初の産学官連携モデルであり、迅速かつ効率的な接種を目指す取組である。
SBCメディカルグループは、医療従事者の確保やワクチン接種のみならず、ワクチン接種オペレーション構築にあたり医療上および効率性といった専門的視点から助言を行っている。<連携する事業者・学校>
楽天ヴィッセル神戸株式会社/楽天グループ株式会社/楽天メディカルジャパン株式会社/神戸大学/神戸大学医学部付属病院/東京慈恵会医科大学 外科学講座/SBCメディカルグループ
身近に障害を持つ方がいたこともあり、学生の頃からボランティアにも参加していた奥野さん。彼女にとっては、社会貢献は遠い存在ではなかったのだろう。
しかし、就職してから生活は一変。
目の前の仕事にただ取り組む日々。あんなに身近だったはずの社会貢献に参加する時間や余裕がなくなっていった。
「2011年に発生した東日本大震災の時にも、本当はボランティアに行きたかったんですけど、前職では休みも取れず参加できなかったんです。それが不甲斐なく感じました。」と話す。
前職はキャビンアテンダント(CA)ですよね?なぜ就職先に航空会社を選ばれたのですか?
「もともと接客が好きだったことと、学生時代に身に着けた英語の知識を生かせると思い航空会社に就職しました。仕事はとても楽しかったし、やりがいも十分でしたがとにかくハードワークで…。結婚や出産などプライベート環境が変わっても、長く働ける会社に行きたいと思い転職を決めました。」
CAとして身に着けたホスピタリティを生かせる業界に転職を考えていたところ、湘南美容クリニック(SBC)の求人を発見。もともとSBCに顧客として通っていた彼女は、ぜひここで働きたいと思ったのだという。
「通っていたクリニックで働くスタッフの対応がよくて、私もSBCで働きたい!と思い、電車のホームでエントリーしたことを覚えています(笑)」
クリニックにてお客様対応をする奥野さん。持ち前の接遇力を生かせる受付カウンセラーの仕事が楽しいと話す。
入社の決め手はSBCの企業理念
「SBCが掲げる三方良しの考え方に共感しました。社会貢献、が企業理念の会社なら間違いないなと。入社後も、入社前と大きなギャップは生まれなかったです。」
三方良しとは:SBCメディカルグループのミッションのこと
「究極の三方良しを実現する」
全スタッフの物心両面の幸福を追求すると共にお客様に最高・最良の美容・健康・医療サービスを提供し世界一社会に貢献する伝説のメディカルグループになる
航空会社と美容クリニックでは仕事内容も違うので、慣れるまでに時間がかかったのではないですか?
「接客業という共通点があるので、ギャップは感じなかったです。ただ勉強量の多さには苦労しましたね。」と入社当時を思い出し笑顔を見せた。
さらに入社後は、SBCの個々の強みを生かした教育に感銘を受けたそう。
奥野さんは前職ではやや弱みに感じていた「競争心がない」という点について、「お客様に寄り添ったカウンセリングができるなんて素敵なこと。売上は気にしなくてもいいよ。」と先輩からフィードバックを受けたことが嬉しかったと話す。
「自分が前職では弱みだと思っていた部分を、上司に褒めてもらえたことが嬉しかったんです。自分の強みを生かしながら成長できるいい会社だなと感じました。」
“先客後利(せんきゃくこうり)”という、お客様を第一に考える企業理念は、お客様だけではなくスタッフの心も軽くすることができる。
「SBCの受付カウンセラーは、お客様一人ひとりに合わせたカウンセリングスキルが必要なんですね。お悩みも一人ずつ異なるので、コンプレックスの背景をできるだけ引き出してあげて最適な施術のご提案を行うことが大事なんです。ただ売上を上げるのではなく、お客様に満足していただけるかどうかを必ず考えることで、お客様から喜んでいただけることが多くて、私自身のモチベーションにもつながっています。」
お客様の立場に立ったカウンセリングが功を奏し、奥野さんの受付カウンセラーとしての評判は高まっていった。
コロナ禍で高まった社会貢献への気持ち
日々クリニックでお客様と向き合う中、2020年コロナ禍に突入。SBC社内では、大規模ワクチン接種の公募受付が開始された。
「やってみたい!と思いました。社会貢献できる!と思って。」
もともと社会貢献への関心が強かったからですね。
「そうなんです。仕事を言い訳に10年くらい社会貢献には取り組めていなかったのですが…。前職では叶わなかった社会貢献を、個人ではなく会社として行えることに驚いたし、改めて企業理念『三方良し』という言葉の意味を実感しました。」
大規模ワクチン接種の参加にあたり、気を付けていることはありますか?
「私個人として参加しているわけではなく、SBCを代表して参加している、という意識は持ち続けています。」と答えてくれた。
具体的に工夫していることはありますか?
「接種会場では、相手に合わせた話し方を意識しています。接種会場に来場される方の中には、普段クリニックでは出会わない方がたくさんいます。年齢や性別も様々。特に私は普段から早口なので、できるだけ相手のペースに合わせるように心がけています。
あとは、マスクや眼鏡の着用もしているので、笑顔や身振り手振りも大きくして、来場者の不安を取り除けるような工夫をしています。」
1日3,000人以上と多くの方が来場される中、SBCスタッフとして笑顔は欠かさない奥野さん。
SBCを代表して参加している、という心掛けの表れですね!
「私以外のスタッフも、クリニックでお客様対応するときと変わらない接遇ができていると思います。もともと人と話すことが好きで始めた接客の仕事なので、場所が変わっても自分のスタンスは守っていますよ。
でも単純にたくさんの方と話ができることが楽しいです!」
奥野さんが神戸市民と接する姿を見ていると、彼女が楽しみながら仕事をしていることがわかる。
市民の一人ひとりに丁寧に「今日も頑張ってきてくださいね」「2回目の接種は緊張しますね、大丈夫ですよ」と目を見ながら声をかける姿。
この一言に安心した市民の方はどれだけ多いだろうか。
SBCの受付カウンセラーは、今回の大規模ワクチン接種でどのような仕事を行うのですか?
「受付カウンセラーは、ノエビアスタジアムに来場された神戸市民の方の予診事前チェックを行っています。予診票の重要項目を確認し、ファイルを色分けして被接種者に渡すという業務なのですが、予診事前チェックはワクチン接種前に必ず通る場所なので、来場者のワクチン接種に対する不安をできるだけ取り除く努力をしています。」
ワクチン接種事業において、SBCとしての強みを感じる瞬間はありますか?
「やはり接客やコミュニケーション能力は、他の参加企業と比べて群を抜いているんじゃないでしょうか?あとは様々なことに対する改善の速度はとても速いと思います!」
もともとクリニックでも意識しているが、外部であっても改善の速さは変わらない様子。
スタッフそれぞれに少しでも良くしたい、来場者に満足していただきたいと思う気持ちがあるからこその行動なのだろう。
お客様一人ひとりの目を見ながら予診事前チェックを行う奥野さん。
スタッフにもより良い存在でありたい
神戸大規模接種が終わったらクリニックの受付カウンセラーとして、通常勤務に戻る奥野さん。
今後はどんな受付カウンセラーになりたいですか?
「新人スタッフの教育にも携わったり、担当している係の仕事の取組も深めたいです。係ではES(※ESとは=従業員満足度を示す指標。福利厚生やマネジメント、職場環境、働きがいなどについて社員の満足度を表す。)を担当しているのですが、一人ひとりのスタッフのモチベーションを高める工夫ができるといいな。」と笑顔を見せてくれた。
「今回の経験を通じて、自分自身の仕事が社会に貢献できると身をもって感じたし、自社の企業理念を体感できました。SBCの理念である“三方良し”の考え方は“お客様・スタッフ・社会に対して、より良い存在である”こと。私の得意な接遇でお客様をもっと幸せにしていきたいし、スタッフのモチベーションを上げられるES係の活動ももっと頑張りたいと思います!」