神戸市で行われている「大規模ワクチン接種」に参加する看護師の一人に話を聞いた。
大規模ワクチン接種とは
ノエビアスタジアム神戸にて実施している、新型コロナワクチンの大規模接種のこと。
国内初の産学官連携モデルであり、迅速かつ効率的な接種を目指す取組である。
SBCメディカルグループは、医療従事者の確保やワクチン接種のみならず、ワクチン接種オペレーション構築にあたり医療上および効率性といった専門的視点から助言を行っている。<連携する事業者・学校>
楽天ヴィッセル神戸株式会社/楽天グループ株式会社/楽天メディカルジャパン株式会社/神戸大学/神戸大学医学部付属病院/東京慈恵会医科大学 外科学講座/SBCメディカルグループ
美容看護師として湘南美容クリニックに勤務する彼女は、なぜ自分の暮らす広島を離れてまで、大規模ワクチン接種に参加しようと思ったのだろうか。
本日は通常業務やワクチン接種事業など様々なことをお伺いできればと思いますので、よろしくお願いします!
まずはじめに、曽根さんはなぜ看護師になろうと思ったのですか?
「祖母が看護師だったので、幼いころから看護師という職業を意識していました。中学校の頃に知り合いが事故にあって、当たり前ですがその時何もできなかったんです。その時はじめて看護師になって人を救いたい”と決意しました。」
学生の頃からの夢を叶え、看護師の道を歩み始めた曽根さん。総合病院の脳外科にて、慌ただしいながらも充実した日々を送っていた。
「もともと人と話すことが好きだったのですが、脳外科には物理的に話すことができない患者様がたくさんいました。業務を行う中で会話ができない方に向けた非言語のコミュニケーションを意識したり、質問方法を工夫した経験が、現在の業務にも活きていると思います。」
充実した看護師生活を送る中、なぜ湘南美容クリニック(SBC)に転職を決めたのでしょうか?
「私自身が美容クリニックで施術を受けた経験があるのですが、すごく前向きになれたんですよね。キレイになることが日々の活力になったんです。美容には人を元気にする力があることを実感して、美容クリニックで働くことを決めました。」
美容医療業界のトップを目指したい
自らの性格を「負けず嫌い」と話す曽根さんは、美容看護師を目指すなら美容医療業界トップのSBCへ!と転職を決意。
「SBCに入社してからは、予想以上の忙しさに驚きました!病棟勤務時代とはお客様に対する接し方も異なりますし。でも人と話すことが好きだったので、接遇へのギャップは感じなかったです。」
持ち前のコミュニケーション能力を生かして、お客様のコンプレックスやお悩みを聞き出し施術を行う美容看護師としての仕事に打ち込む毎日。充実した日々を送っていたが、2020年コロナウイルスにより働く環境は一変した。
コロナ禍になったことで、自身の考え方に変化はありましたか?例えば、病棟に戻りたいとか…?
「病棟に戻りたいとは思わなかったです。ただ、看護師という自分の存在意義を考えるようになりましたね。世の中全体が自粛ムードになって、クリニックも予約の制限を行うことが決まってしまって…。
そんな中で、落ち込む私を救ってくれたのはお客様でした。お客様が優しい言葉をかけてくれて、感謝の気持ちを表してくれたんです。
“湘南美容クリニックが開いていてよかった!”
“こんなタイミングで迷惑をかけちゃうかなと思ったんだけど、丁寧に対応してくれてありがとう。”とたくさん声をかけてもらいました。
お客様と接する中で、>美容医療でもできることがたくさんある。やっぱり私は美容が好き!って実感しました。」
曽根さんはお客様とのコミュニケーションを通じて、次第にモチベーションを取り戻していった。
ワクチン接種会場であるノエビアスタジアムでインタビューに応じる曽根さん。
自分の経験を生かした社会貢献に挑戦
そんな中、SBC社内で大規模ワクチン接種の参加者を公募する動きがあった。
「挑戦してみたい!社会貢献したい!とすぐに手を上げました。美容医療の重要性はコロナ禍になって身をもって実感したんですけど、せっかくの機会なので、自分の看護師としての経験を活かして社会貢献してみたいなと思いました。」
実際に大規模ワクチン接種に参加してみて、どうですか?
「とにかく楽しいです。新しい発見が毎日あるんですよ!病院勤務の時から患者様とお話することが好きで、クリニックでもお客様と話すことがやりがいなんですけど、今も神戸市民の方とお話をすることができる「追加予診事前チェック(予診票重要項目の詳細確認と被接種者の不安解消・必要に応じて医師への申し送り)」担当の日が一番楽しいです。」と笑顔を見せてくれた。
来場された神戸市民の方の追加予診事前チェックも看護師が行う。神戸市民の方と直接話ができる貴重な機会。
神戸市の大規模ワクチン接種では、ワクチン接種・追加予診事前チェック・経過観察・注射器の分注(※分注=液体を一定の容量ずつ吐出すること)と日々様々な業務にあたる。
「やっぱりやりがいがあるのは接種かな。楽しいのは追加予診事前チェック。得意なのは分注です!(笑)」
不安を取り除くことが私たちの使命
クリニックでは、お客様と様々な会話をしながらレーザー照射などを行うSBCの看護師。クリニックの実務経験がワクチン接種の場で活きている、と彼女は話す。
「SBCに来院されるお客様はたくさんの不安を抱えています。美容クリニックに来ることが初めての方も多いですし、やっぱり緊張しますよね。そんなお客様の不安を取り除いてあげること、正確な情報をお伝えすることを普段から意識しています。クリニックで行う美容看護師としての仕事も、大規模ワクチン接種で行う接種や追加予診事前チェックなどの仕事も『不安の解消』が共通しているなと気が付いたんです。」
参加してみて、得たものもたくさんありそうですね。
「たくさんありますよ!お客様の不安な気持ちを取り除いてあげるためのスキルは、この経験を経てさらに高まったかな。
仕事自体から得るものも多いですし、他のスタッフから得るものもたくさん!今回は、全国のSBCスタッフが参加をしているので、SBCスタッフ達と情報交換できることが嬉しいですね。私は普段広島院で勤務していて、他院のスタッフと直接話せるきっかけがあまりないんです。いい機会なので、休憩時間には業務の話をして他院の良いところを自院に持ち帰ってやる!と思っています。」
全国から駆け付けたSBCの看護師たちとは、休憩時間に業務の話などで盛り上がる。
約1か月間、神戸市で大規模ワクチン接種に参加したあと、今度は福岡で開催される大規模ワクチン接種に参加することが決定している曽根さん。神戸会場と福岡会場の両方に参加する看護師は多くないという。
神戸に続いて、なぜ福岡でも参加しようと思ったんですか?
「今回培ったノウハウを、全国の会場で働くスタッフに伝えたい思いました。あとは1日の接種人数5,000人の壁も超えたい!(※神戸会場では、1日最大5,000人の市民の方が接種会場に訪れるが、取材日の接種人数は3,000人程度)」
現在曽根さんは、大規模ワクチン接種が全国に拡大したとき、はじめて参加するスタッフがすぐに技術を習得できるような教育用の動画も率先して制作している。
「教育にも興味がありますね。福岡会場では新しく参加するスタッフに教える立場になるので、今から意気込んでいます。もちろんSBCスタッフだけじゃなくて、派遣看護師さんや大学病院の看護師さんにも、わかりやすく丁寧に教えられるといいな。」
真剣な顔で分注を行う曽根さん。作業が丁寧で正確だと外部スタッフからも高い評価を得る。
楽しみながら挑戦を続けたい
曽根さんは、これからどんな看護師になりたいですか?
「信頼される看護師になりたいですね。入社した時の教育担当の先輩が経験も知識もとても豊富で、お客様からもスタッフから信頼されていたんです。その先輩に憧れて、今年の5月からスキンチェッカーにもなったんです!(※スキンチェッカーとは、全国のSBCスタッフがマニュアル通りの知識・技術を提供できるよう、統一を図るという任務を負ったスタッフのこと。)
もっともっと知識を増やして、誰からも信頼していただける看護師を目指していきます。」
大規模ワクチン接種への参加や、スキンチェッカーへの挑戦、様々な経験を通して成長したいと語る曽根さん。
前向きな曽根さんには、SBCの社風はぴったりだなと思います。
「手を挙げたら色々なことに挑戦させてもらえる会社の制度には感謝してますね。今回大規模ワクチン接種に参加したいと言って、快く送り出してくれた広島院のスタッフにも大感謝です!今回の取組みで成長した自分を、クリニックの先輩たちにも早く見せたいです!」
美容が好きで人が好き。看護師として日々成長を続ける曽根さん。
挑戦し続ける彼女は、これからも更なる高みを目指していく。