リアルボイス

2021.12.14

美容医療のマーケティングが面白い理由。話題の「週末二重術」の裏話を聞いてみた

#スタッフ紹介#お仕事紹介#中途採用

PROFILE

2018年7月入社。マーケティング部 医療マーケティンググループ所属。インターネット広告代理店、AI系ベンチャー企業、PR会社を経験。

今回はマーケターの若林さんにお話を伺います。今まで様々な企業でマーケティングを担当されてきた若林さんから見て、SBCでマーケティングを行う魅力って何だと思いますか?

魅力はオンライン(webマーケティング領域)とオフライン(電車広告やテレビCM等の領域)を融合したマーケティングが実践できることだと思います。マーケティング部の組織体制を「脂肪吸引」「豊胸」「脱毛」といった施術や診療科目ごとに分けている弊社ならではの特徴ですね。

「施術や診療科目ごとにマーケティング部の組織体制を分けている」とはどういうことでしょうか?

多くの場合、企業のマーケティング部門は「機能別」と「内容別」の2種類に分かれています。

機能別とは、広報やブランディング、広告、デジタルなどマーケティングの「機能」ごとに部門を分けた組織形態のことです。機能別では、基本的にデジタル部門の担当者が行うマーケティングはデジタル領域に限ったものになります。

一方SBCでは担当が内容別、つまり施術や診療科目で区切られているので、「二重施術」を担当したら二重施術にかかわるマーケティングのオンライン・オフライン戦略どちらも自分が受け持つことができます。

この「オンラインとそれ以外」という垣根にとらわれることなく、様々な手法を組み合わせたマーケティング施策を打ち出すことができる点が魅力だと思います。

webマーケティングもテレビCMも同じマーケターが担当できるということですね。ちなみに何故SBCのマーケティング部では内容別の組織体制を組んでいるのでしょう?

企業規模や経営方針など理由は色々ありますが、「SBCが医療を扱っている企業だから」というのも大きいと思います。

医療領域の商品理解ってけっこう大変なんです。「二重施術」のマーケティング担当になると、縫い方の違いから生じる様々な術式や、糸や針など道具に関する知識、どのドクターなら施術可能かといったドクターのスキル、関連法規などかなり幅広く理解する必要があります。

そんな弊社のマーケティング部がもし機能別だったら、一人の担当者が覚えるべき知識が多すぎて混乱するでしょうし、web広告とテレビCMを組み合わせたマーケティングを行うとなったら、各領域の担当者が持つ情報や知識をすり合わせるだけで一苦労です。

なるほど、商品を理解するために多くの知識を必要とするSBCでは、施術や診療科目ごとに担当を区切った方が合理的なのですね。

この区分けにはもちろん大変な面もあって、マーケター一人ひとりに求められる知識量が非常に多いんです。

そうか、オンラインとオフラインを融合したマーケティングが実践できるということは両者の知見が必須で、さらに医学的知識も身につけなければいけないわけで…。

難易度は正直高いと思います。ですが、そのぶんかなり面白いですよ。

SBCではこの組織体制があるからこそ、互いに相乗効果を生むマーケティング施策を考えていくことができるんです。「このメニューをこういう趣旨でアピールしたい」という方針を打ち出せば、多いときにはCMやweb広告の代理店、各媒体の専門家など20〜30名が一つの会議室に集まって、「じゃあこのポイントはCMで訴求しよう」「CMで表現できないポイントはwebサイトで伝えて補完しよう」「CMを出すタイミングでインフルエンサーにYouTubeで発信してもらおう」などと話し合います。

社内外合わせたチームが1つになって、自分だけでは実現できない施策をチーム全体でスピーディに実行していくことができる。これは非常に刺激的ですし、今まで私が感じていたジレンマの無い方法なのでやりがいを強く感じています。

今まで感じていたジレンマというのは?

私は今まで代理店でマーケターとしての専門知識を身につけてきたのですが、いつも「一つの手法だけではなく、オンラインもオフラインもミックスして実行しないとマーケティングの効果は最大化しない」と感じていました。

クライアントにより良い施策を提案しようと思っても、代理店として提案できる内容には限界があったし、私自身の知識や能力不足ゆえの提案の幅の狭さに歯がゆい思いをしてきたんです。

マーケターとして最大の効果を発揮させる手法が想像できているのに、実践できないジレンマがあったのですね。

それが悔しくて今まで、インターネット広告代理店、AI系ベンチャー企業、PR会社と自分に足りない部分を補うように複数の企業を経験してきました。おかげでデジタルマーケティング、データサイエンティスト領域、PR領域とどんどん知見を広めていくことができ、「今の自分ならオンラインもオフラインも統合して考えられるレベルにいる」という実感をやっと持てたので、30歳を目前にSBCへの転職を決意したんです。

挑戦の場にSBCを選んだ理由というのは?

企業側でオフライン・オンライン・PR領域も含めた統合的なマーケティングに挑戦したいと思っていたので、診療科目ごとにオンラインからオフラインまで統合的に戦略を考えられる形態というのは必須条件でした。

それに加えて、市場規模40兆円といわれる超成長市場で拡大を続けているSBCは非常に魅力的に思えたんです。

また、SBCに個人的に良い印象を持っていたのも後押しになりました。以前SBCの美容皮膚科に通っていたとき、私に合ったプランや商品を的確に提案してくれていたので、この企業なら大丈夫だろうと思ったんです。自社のマーケティングをするなら納得できる企業じゃないと!と思っていたので大事なポイントでした。

こういう経緯で入社して2年になりますが、「日々が過ぎるのが早すぎる…!」とびっくりするくらい充実しています。

今までの仕事のなかで特に印象に残っている案件はありますか?

「週末二重術」ってご存知ですか?お客様から好反応を得たメニューなのですが、最初は社内では意見が割れたこともあって、印象深い仕事ですね。

今までとは異なる目線でアプローチしたことで、好評を博した「週末二重術」

社内で意見が割れたとのことですが、最初はあまり上手く進まなかったのでしょうか?

まず私が二重施術の担当になったのが、実は二重施術が少し伸び悩んでいる時期だったんです。というのも、おかげさまで毎年多くの方がSBCで二重になっているので、少子化が進む日本では「このままいくと全員二重になっちゃうんじゃない?」なんて冗談のような話がでるくらいの状況だったんですね。

そんな状況でも、さらにシェアを拡大していかないといけないですもんね。

なので、今までとは違った層にアプローチできる新商品の開発が必要でした。「二重にしたいけど、どの美容クリニックが良いかな?」と悩む層ではなく、「二重にはしたいけど、手術すると腫れちゃうから、一週間くらい家に引きこもってなきゃいけないんだよね…」と思いこんでいる層をターゲットにしようと考えたんです。

ダウンタイム(施術してから回復するまでの期間)の長さを心配して、一歩を踏み出せない層ということですね。

そうです。「思い込みが邪魔をして、ダウンタイムを調べるに至らない人たちが一定数いるのではないか?」という仮説を立てました。そういった層に「長期の休みは不要!」とすぐに伝わるネーミングは何だろう?と上司と一緒に考えて、ホワイトボードにあれこれ書き出していくなかで生まれたのが「週末」という言葉だったんです。

「週末二重術」ってキャッチーですごく良いと思います!

ありがとうございます。ですが、いざ社内の全体会議で提案してみると、物議を醸したネーミングなんです(笑)。

「週末って言いきれるの?」「ダウンタイムは人によって異なるから断定できない」「そもそも週末の定義って?」など様々な意見が出ましたね。

そんな重箱の隅をつつくような…

いえ、現場で実際にお客様と接するドクターや看護師、受付カウンセラーにとっては非常に重要なことなんです。商品開発をする際は、現場がお客様に提案しやすいメニューか否かは大事な基準です。あまりに攻めたネーミングだと現場に浸透しないし、法的なリスクも出てくる。ただ、緩いと誰にも刺さらないので。

バランスをいかにとるかが重要なんですね。

マーケティング目線と現場目線のすり合わせにはいつも悩みますね。現場スタッフは医学に対する圧倒的な知識差があるので、「できない!」と言われたら、「そうか、できないのか…」と諦めそうになります。ですから、事前に現場の方々の反応を確かめたり、自分なりに情報を集めたり、情報の伝え方を工夫したりしました。

情報の伝え方というのは?

説得するには、情報の内容はもちろんですが情報の発信元も大事なんです。我々のような医学の素人が説明するより、ドクターが説明した方が納得感がありますよね。なので現場への説明をあえて別のドクターに行ってもらうよう会議前に依頼したり、忙しいスタッフでもすぐに読める資料を作ったり、色々頑張りました。

そうした困難を乗り越えてGOサインが出た「週末二重術」をウェブで広告を出して発表したところ、予想を超えた予約数と売り上げを出すことができたんです。

良かった!やはりネーミングが刺さったんですね!

ネーミングもそうですし、価格設定や、使用する資材など様々な工夫をしたことが成功に繋がったのだと思います。結果が数字で返ってきたときは本当に嬉しかったです。

…ここだけの話、とても正直に言うと、「週末二重術」は「今までの二重施術の歴史を変えてしまうような世界的にも斬新な術式!」というわけではないんです。

まあ、世界レベルで革新的な新技術はそんなポンポン生まれないですよね(笑)

ですが見せ方を工夫すれば、「それを本当は必要としていたけど、知らないために恩恵を受けられなかった人たち」に届けることができるんです。それがマーケティングの面白いところだと思います。

私がマーケティングの世界に入ったのは、学生時代に参加したセミナーで聞いた「本当は素晴らしいのに、その価値が正しく認識されず、世の中に埋もれてしまっている情報をいかに魅力的に伝えるかがマーケティングである」という言葉がきっかけです。

この「週末二重術」の案件は、規模こそ小さいですが、マーケティングを通して実現したかったことにつながる仕事だったので、とても印象深いです。現場のスタッフたちと協力しながらマーケティング目線で商品開発を行い、新たな層を獲得できたということで、SBCのマーケターとしても大事な一歩になりました。

商品開発を行う部署の部門長とミーティング中。クリニックで販売する商品開発に携わることも。

この案件のおかげで、仕事が進めやすくなったりしましたか?

そうですね。「二重施術に関しては若林さん」という認識を皆さんに持っていただけるようになり、以前より信頼してもらえるようになったかな?と思います。

信頼関係があると仕事が進めやすくなりそうですね。

「マーケターの意見が聞きたい」と現場から相談してもらえるのは嬉しいですね。ドクターをはじめ現場スタッフは「医療のプロ」、私たちは「ものを売るプロ」として、お互いを尊敬尊重し合うムードがSBCにはあります。期待を超えていけるように挑戦し続けていきたいですね。

素晴らしいですね。では最後に今後の若林さんの目標を教えていただけますか?

今は引き続き二重施術も担当しているほか、脱毛というSBCにとって大事な施術を担当しているので、夏に向けて結果が出せるように頑張っていきたいと思います。あとは部門のリーダーを任せていただいているので、チームメンバーを育てることも今後の課題ですね。マーケティングも、メンバー育成も正解がないので不安になることもありますが、周囲の力をうまく借りて成功させていきたいと思います。

期待しております!若林さん、本日はありがとうございました!

このエントリーをはてなブックマークに追加
Pocket

同じカテゴリの記事