今回は皮膚科経営戦略室にて働く笠井さんに、仕事のやりがいや魅力についての話をお聞きしました。
日々、トレンドが変化する美容皮膚科分野で奮闘する皮膚科経営戦略室とは
皮膚科経営戦略室とは、具体的に何を行う部署なのでしょうか?
皮膚科経営戦略室では、美容皮膚科治療(※)の売り上げ向上のために、新治療の開発や安全性・効果の検証、さらに美容皮膚科治療のトレンドに合わせた既存治療のリニューアルなどを行っています。ほかにも、クリニックで治療を提案しやすくするための取り組みとして、スタッフに向けた施術マニュアルやPOPツールの作成も私たちが担当しています。
様々な治療の取り扱いがあるSBCですが、お客様に満足いただくため、常に新しい治療の導入を検討しています。しかしながら、治療の導入にあたり、導入検討段階で『効果がしっかりと実感できます』と業者の方に説明を受けるだけでは、本当に効果が出るのか、安全なものなのか判断ができません。だからこそ、新治療の導入に重要なのは、実際に試して効果検証を行うことだと考えています。
現在は、新治療の導入検証を、同時進行で11種類行っています。
※美容皮膚科治療…医療脱毛や美肌治療などのレーザー治療のこと。
皮膚科治療にもトレンドがあるのですね。同時に、そんなに多くの新治療を検証しているとは驚きです!
実は、美容医療業界の中でも、皮膚科は特に治療内容のトレンドが入れ替わりやすいんです。たとえば、今流行している治療があったとしても、数カ月後にはお客様からの予約が減り、売り上げが伸びなくなることもあります。
ただ、人気がなくなる治療がある反面、お客様からの人気を集め売り上げを伸ばしている皮膚科治療が必ずあるんです。その治療が何かを、常にアンテナを立てながら情報収集しています。
世の中のトレンドに合わせた戦略立案が大切なのですね。普段、どのように情報をキャッチアップしているのですか?
トレンドに乗り遅れないためにも、他の美容クリニックのInstagramやHPを常にチェックしています。年々、美容クリニックの数が増えていく中で、お客様に同じ治療を提供し続けるだけでは満足していただけません。他のクリニックに導入されているものの中で、SBCに導入されていない治療があれば、効果などを確認したうえで導入を検討することもあります。
より多くのお客様に、安心・安全に治療を受けていただくための効果検証──その重要性とは。
新治療の効果検証とは、具体的にどのようなことを行うのですか?
モニターの方に、実際に新治療を受けてもらいます。治療後に、痛みはなかったかをモニターに確認し、赤みや腫れなどがなかったかを施術した医師や看護師に確認します。ただ治療を受けて終わりではなく、その後のダウンタイム期間や、実際どのくらい効果があったのかを治療前後で比較していくことを繰り返し行っています。
最近は、40代以上のミドル世代のバックエイジング(若返り)を目的とした、『Yellシリーズ』を導入するにあたり、10名のモニターの方に協力いただき効果検証を行いました。医師がモニターの肌の状態を確認し、ボトックス・ヒアルロン酸・ウルトラリフトプラスHIFU(ハイフ)などの若返り治療の中から、それぞれに合った施術を行います。
この話だけを聞くと、凄く楽しそうで華やかな仕事に思われがちですが、医師や看護師、モニター、カメラマンの日程調整も全て行うので、スケジュールを合わせることが難しく、実はとても大変なんです。
さらに、コロナ禍ということもあり体調不良などで検証が難しくなるモニターの方もいます。そうなると、医師や看護師のスケジュールが空くので当日の進行を調整したり、来れなくなったモニターの日程再調整が必要になります。
これだけ多くの方のスケジュールを合わせるのは大変ですよね。検証当日、スムーズに行うために意識していることはありますか?
当日のスケジュールや動きを把握して、効率やスピード感を意識しています。もし、当日トラブルがあり検証が止まってしまったら、治療の導入が遅れ、市場のトレンドに乗り遅れることがあるからです。
また、検証当日もモニターによって施術内容が異なることもあるので、常に効率化を考えながら行動しています。例えば、スケジュールが押す可能性があると想定し、移動時間を短くできないかどうかは常に意識していますね。また、検証の順番に関しても、「Aさんには看護師がついているから医師が空いているな、ではBさんを洗顔に案内し医師が対応できる準備に入ろう」など、常に全体を把握しながら動くことが大切だと思っています。
治療の検証が終わると検証結果をレポートにまとめていきます。どのくらい効果があったのか、類似治療と比較してどうだったのかなどです。このように効果検証を行うことで、お客様が安心・安全に受けることができ、本当に効果を実感いただける治療を導入することができるんです。
受付カウンセラーとしての苦労があるからこそ改善に繋がる──クリニックと本部の懸け橋に。
定期的に新治療の効果検証をされていますが、導入に至らなかったものもあるのでしょうか。
それが、結構あるんです(笑)。2021年に導入を検討した治療は80種類あったのですが、実際に導入された治療は25種類でした。検証の期間としては、短いもので2週間、長いもので3カ月間かかり、さらに沢山のモニターやスタッフに協力してもらいながら進めていくので、導入に至らなかったものに関しては時間をかけた分、悔しい思いをしました。
しかも、SBCの企業理念である「究極の3方良し」を実現するためには、やみくもに新治療を導入するのではなく、効果が実感でき、お客様が安心して受けられる施術のみを導入する必要があります。そのため、いかに時間や手間がかかろうとも厳選された治療のみを導入するようにしています。
また、実際に治療を導入した後、クリニックのスタッフがお客様に自信を持って勧められる治療でないと、売り上げを伸ばすことはできません。そこで、クリニックのスタッフが新治療への知識を深めるためにさまざまなことを行っています。
クリニックに向けては、具体的にどのようなことをしているのですか?
クリニックスタッフ向けの勉強会を定期的に実施しています。私は約2年前、新宿本院にて受付カウンセラーとして勤務していました。当時も、新しい治療がリリースされるたびに、施術方法やマニュアルがクリニックに共有されていたのですが、お客様への提案方法がわからず戸惑った経験がありました。
その経験を活かして、新治療を導入する際にはスタッフの理解度を深められるように、クリニックの営業時間前後にオンライン勉強会を実施するようにしたんです。
勉強会の実施によって、新しい治療をお客様に提案することに対して、苦手意識があるスタッフが一定数居ることが分かりました。更に、治療に対する理解度を深めたスタッフから『また開催してほしい!』『分かりやすかった!』とたくさんの嬉しい言葉をいただくことができました。自らの受付カウンセラー時代の経験が活かせたと感じ、すごく嬉しかったですね。今でも、新治療が導入されるたびに勉強会を定期的に行い、クリニックとの接点を持つようにしています。
受付カウンセラーとしての経験があるからこそ、クリニックの視点を持ちながら工夫することができるのですね。新治療を導入する上で、最も大切なことは何だと思われますか?
会社の規模が大きくなるほど、お客様やスタッフなど個人の視点で物事を判断する意識が薄れていきます。しかしながら、新しい治療導入時には『お客様のためになっているのか』、『実際にスタッフがお客様へ提案しやすいか』を常に考えることが大切だと考えています。
直接お客様と話す機会がなくなりましたが、お客様やスタッフの目線に立って治療を導入することで、SBCが目指す「三方良し」に繋がっているのではないでしょうか。
SBCの成長に必要なのは、クリニックのスタッフの声に耳を傾けること。
お客様とお話をする機会がない中で、クリニックの情報をキャッチアップする機会はあるのでしょうか。
以前はクリニックで勤務をしていたので、お客様やスタッフから生の声を聞くことができましたが、オフィスにいるとお客様やクリニックのスタッフと話す機会はほとんどありません。だからこそ、クリニックのスタッフと考え方にズレが出ないように、直接意見を聞くようにしています。
受付カウンセラーと看護師には、「スキントップ」という皮膚科治療のスペシャリストがおり、定期的に意見交換する場を作っています。皮膚科治療に詳しいスタッフと一緒に治療に対する問題を解決することは、本部と現場のズレをなくすことに繋がると思っています。更に、月に1度会議を行いスタッフの治療に対する意見をヒアリングしつつ、クリニックのスタッフから意見や要望をいただくこともあります。
クリニックで働くスタッフの声をもとに、どんな治療が期待されているのか、何か困っていることはないかなど、常に現場のリアルを把握することを意識しています。
クリニックとのリアルな声を治療導入にも反映しているのですね。改めて、皮膚科戦略室に求められていることは何だと思いますか?
新治療を導入することを目的にするのではなく、きちんとクリニックのスタッフが胸を張ってお客様にご提案できるよう知識を深め、お客様が治療の効果を実感し、リピートしていただくことでやっと会社の成長に寄与できると思っています。そのため、普段の業務で感じたことや経験を活かしながら、何がお客様にとって良いことなのかを常に考えることを大切にしています。
これからも、会社全体の成長には皮膚科分野の売り上げ向上が必要不可欠だからこそ、どうすれば会社の成長にもっとも貢献できるのかという視点を大切にしていきたいですね。『SBCの成長の要である皮膚科経営戦略室』になれるよう、クリニックのスタッフとの連携強化を図り、皮膚科分野の売り上げを伸ばしていけるよう、頑張ります!